遺言状の有効性?
どうしてこの本を買ったのかっていうと、この中で「犬神家の一族」の犬神佐兵衛の遺言は実際に有効か、という内容がある、と風の噂で耳に入ったからであった。
金田一シリーズ大好きです。少しでも描写が入ると気になってしまう……。
で、小説自体はとても面白かった。エンターテイメント性の高い作品。
とにかく、キャラクターが個性的。金にがめつく、プライドが高く、可愛げとは無縁の敏腕女弁護士。正直全く友達にはなりたくないけど、陰湿さとは無縁なので読んでいて気持ちがいい。
序盤に公開される、彼女の元彼が公開した遺言状も、「僕を殺した犯人に遺産を譲る」と奇妙な内容でぐいっと引き込まれる。これを持ち掛けた共通の友人も、良い感じに狡くて共感できる。私もその状況、ちょっと期待しちゃうわ。
実際、どんな遺言状でもオッケーってわけではなく、「公序良俗に反した」遺言は無効とのことらしい。愛人に財産を譲るとか。
犬神佐兵衛とか絶対ダメじゃん?でも有効であると主張した論文もあるらしいですよ。
殺人犯に財産を譲る、なんて許されないと思うんだけど、この遺言状には隠された意図があって……。
伏線回収も含めて全編通してそつのない話の運びで楽しく読みました。
ライトな読み口なので、通勤中とかに気軽に読み進めることができるのも◎
キャラクターが魅力的なので、続編で長く続けることが出来そう!と思ったら最近続編発売されていました。
映像化の話も立ちそうだなー。
重たいミステリー、サスペンスに疲れたら、おススメの清涼剤。