東京への未練

都内から、海の街へ引っ越して5ヵ月が経ちました。

もともと、出身は山口県の田舎カッペ。田舎は慣れてらぁ、不便は無いだろう、と思っていましたが……。やはり都を知る前と知った後では、違いますね。様々な事柄に歯噛みをする日々。

赤いリンゴを味わってしまうと、知らなかったころには戻れない……。

 

私は映画鑑賞が趣味ですが、地方の映画館はシネコンが幅を利かせている上に、スクリーンが多いわりに上映している映画の数も少ない。というか、どこも同じ映画のラインナップ。

もっとカラーを出せよ!文化施設だろ!?と思うのですが、そうはいっても興行。より多くの来館が見込める作品を上映しなくてはいけないんでしょうな……。正直、邦画のシステムとかめちゃくちゃどうなん?って思うことが多々あって、なかなか良質な映画作品が作られにくいと思うので、だからこそ映画館には頑張ってほしいんだ……。

観客を育てる、ってのも大事だと思うんですがどうですかね!

 

都内にいるときは、「映画館」が多くあり、どこもそれぞれの特色があって、観たいものも大抵見ることが出来ました。ので、今は情報だけは入ってくるのに、スクリーンで観ることが出来ない歯がゆさ。家で観るより圧倒的に映画館で観るほうが好きなのに……。

 

(まぁ山口も「文化果つる地」ではあったが、その頃は一館だけある映画館を有難がっていた。マトリックスとか観に行ったよ……。そして、映画スケジュールは新聞で確認していた……!!)

 

あと、私、外食が好きで。ネパールとかバングラデシュとか、日本の中華料理屋じゃない中華料理とかをよく食べに出ていたんです。でも、そういうのってパッと食べに行ける距離に無いんですよね。(インド料理はどこにでもある。けど、メニューはどこも似たり寄ったりですね……)カエル食べたい!って言ってすぐに食べに行けるのは、やはり都内の特権ではありました。

 

そして美術館……。やはり文化施設の豊かさは大きな魅力。

この展示行きたい!行けない!むわー!

知は甘い毒。今は情報だけはたくさん入ってくるので、歯痒い思いばかりが募っていきます。

 

そうはいっても、東京の超過密な住環境にまた耐えられるのか、と問われると自信がないですね。結局、生活の上に娯楽が成り立つので……。

一番求めていたのは、穏やかな生活。満員電車や人混みから離れて、海を散歩して、静かな公園から山々を望むこの生活を望んで越してきたのでした。

だから未練を断ち切れよ~と思うのですが、もう情報社会から離れないと無理な気がします。SNSを止めて、生身の情報で暮らす。目に映るもの体験するものだけで、仙人のように……。

いや正直、体験を伴わない情報という名の霞を食べている今のほうがよっぽど仙人ぽいわ。

 

この歯痒い気持ち……いつか慣れることが出来るのでしょうか。